従業員と企業の社会的信用を守るために

残念なことですが、現在の日本では数多くの労働災害が発生しています。労働災害は企業の社会的信用を失墜させるだけではなく、従業員の人生にも影響を与えます。不幸な事態を防ぐためにも、労働安全衛生には配慮する必要があるでしょう。

労働災害事例集

こちらのページでは、日本企業における労働災害事例についてご紹介しています。労働災害は企業の社会的信用を損ねるだけでなく、従業員の人生にも大きな影響を及ぼすもの。なかには、以下の事例のように過労自殺など、死亡者が出てしまうこともあります。以下の事例をご参考にしていただき、ぜひ転ばぬ先の杖としてご活用ください。

現在もなお、労働災害が後を絶たず発生しています。不幸を防ぐためにも、企業を守るためにも、対策を講じることが必要不可欠だと言えます。

胆管がん 印刷会社捜索…安全衛生法違反疑い/大阪(2013/4/2)

大阪市中央区の校正印刷会社「SANYO-CYP」の元従業員ら17人が胆管がんを発症し、うち16人が労災認定された問題で、健康被害の防止措置を怠っていた疑いがあるとして、大阪労働局は2日午前、労働安全衛生法違反容疑(産業医の未設置など)で同社本社と工場の計2か所について捜索を始めた。従業員の健康管理の実態とともに、化学物質で汚染された空気が充満していた同社地下の作業環境などを調べたうえで、刑事責任を追及する。

労働局によると、同社は、労働安全衛生法で50人以上の労働者を使用する事業所に設置が義務付けられている産業医を置かず、健康被害を防ぐ措置を怠っていたなどの疑いがある。

一方、これまでの調査で、同社は1991~2006年、労災認定で原因物質とされた「1、2―ジクロロプロパン」を含む印刷機用の洗浄剤を使用していたことが判明。労働局は、同社が産業医の設置が必要となった01年以降、早期に選任していれば、胆管がん発症の被害拡大を防げた可能性もあったとみている。

労働局は、容疑が固まれば同社と社長(66)を大阪地検に書類送検する方針。労働安全衛生法の罰則では、産業医を未設置の場合、50万円以下の罰金と定められている。

このほか、労働局は昨年5月、同社に対し、労働安全衛生法に反して衛生管理者を選任していないほか、定期健康診断の結果も労働基準監督署に報告していないとして是正勧告。これらについてもさらにくわしく調べる。今後、押収した資料の分析や同社幹部らの聴取を行い、胆管がん多発問題の解明を進める。

同問題は昨年5月に発覚。元従業員ら17人が胆管がんによる労災を申請し、3月27日、昨年中に申請していた16人(うち8人は死亡)が労災認定されている。
(読売新聞)

◆解説

テレビや新聞でも大きく報じられた事件でご存知の方も多いと存じます。

産業医や衛生管理者の未選任、健診結果の未報告などの労働安全衛生法違反は同社に限らず多くの中小企業の実態です。

大企業にはグリーン調達に留まらず、CSR調達として取引先に十分な指導をされることを期待します。

しかし、多くの企業の取引先評価では、購買部門や品証部門によるQCD(品質・コスト・納期)の評価に留まっており、ようやくE(環境)にも目を向け始めた段階で、HS(安全衛生)まで対象としている企業はごく僅かだと思います。

特にコンプライアンスについては十分に配慮して欲しいものです。

◆ベストプラクティス

本ケースでは、刑事事件として家宅捜索していますが、次のとおり労働基準監督官は司法警察員の職務を行なうことができるのです。

【労働安全衛生法】
(労働基準監督官の権限)
第九十一条  労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償で製品、原材料若しくは器具を収去することができる。
第九十二条  労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行なう。

労働安全衛生上の責任は次図のとおりとなります。

労働安全衛生上の責任

労働安全衛生法違反以外にも業務上過失致死罪、民事裁判、さらには顧客の喪失という社会的責任にも曝される結果となります。

また、刑事手続きの流れは次のとおりとなりますが、労働災害の場合は大多数が略式命令となります。

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